今月のびっくりどっきりCD
(2004.11.12.)

ジョージ・ガーシュウィン
George Gershwin(1898-1937)

ピアノ協奏曲 へ調
ラプソディ・イン・ブルー

ユリウス・カッチェン(ピアノ)&マントヴァーニ・オーケストラ
(英デッカ Decca 475 6159)

みんないい仕事してます・・・全然方向性違うけど(笑
1955年録音の復刻版。ジャケットやライナーも当時のものが復元されている。とりあえずもの凄い。大体、名曲集というわけでもないのにマントヴァーニ・ オーケストラが起用されているところが異例だが、ソロをブラームスとかの端正な演奏で知られるカッチェンが担当しているのがさらに謎。

楽譜の校訂もされていない頃の録音なので≪ラプソディ・イン・ブルー≫の方は現在よく演奏されているオリジナルのジャズバンド版ではなくガーシュウィンの死後に さらに手を加えられたフル・オケ版。それをイージー・リスニングの大御所マントヴァーニ・オーケストラがムーディーに 鳴らすのだから気分は金曜ロードショー。クラシックの演奏様式などなんのそので彼らの弦楽パートの必殺技「カスケーディング・ストリングス」や金管の 必要以上のスタンドプレーは当り前。非常に豪華で見事で、これが同じガーシュウィンでも≪パリのアメリカ人≫や≪ストライク・アップ・ザ・バンド≫だったら 文句無かったのだが。しかしゴージャスでキラキラなオケのバックを全く意に介さないかのように、ピアノが「ジャズ?何それ?」という感じで 淡々と弾き進むのだから大笑い。このミスマッチ加減は≪ピアノ協奏曲≫の方が凄い。楽譜的には一応合ってるものの、実際には周りがコントをやっているのに 舞台の真中で一人だけ聖書の朗読をしているようなわけのわからない状態だ。ここまで噛み合ってないと、「もう何でもいいです」という気になり、 実はわざとやってるんじゃないのかとも思えてくる。当人たちはどう思っていたのか聞いてみたかった気もするが、既にほぼ全員故人。

ちなみに音はモノラルだがかなりの高水準。凛としたピアノの音に加え、泣きの入ったヴァイオリンや歌いまくるトランペットはなかなかの聴きもの。


戻る

このページの文章の無断転載は認めません。ブックレット画像はSame.所有のCDをスキャンしたものです。

2004.Same.,Fancy Free